サンザシ | the celtic tree
ケルト暦で5月は、夏の始まりを予感させる季節。
太陽が新たに生まれ変わり、氷に閉ざされた世界が終わりを告げます。
恵みあふれる陽の中で、生命が芽吹く季節が訪れるのです。
サンザシは、まさに光を讃えるシンボルツリーと言えるでしょう。
アイルランドには、季節の移ろいを祝うお祭りが一年に8回もあります。
5月1日には祝祭「ベルタイン(Beltane)」が、また6月21日の夏至には「Litha(リーザ)」が行われます。
川のほとりの鮮やかなグリーンの芝生の上で、人も妖精もみんなで輪になって浮かれ踊ったのです。そして夜は丘の上で大きな焚き火を囲んで、朝まで大騒ぎ。
ちなみに、豊穣を祝う「メイ・ポール」や、労働者の祭典「メイ・デー」はここに端を発します。
サンザシは強い魔力を持ち、枝に布を結べば幸福な結婚を運んでくれると信じられています。
サンザシの縁結びのパワーは、恋に限らずあらゆる人間関係に及びます。
その小さな真紅の果実には、人と人との絆をつなぐ強い力が秘められているのです。
詩人イエイツは言いました。
「妖精や魔術師の帽子の色がほとんど赤なのは、それが魔法を表す色だから」だと。
また「ハリー・ポッター」の作中で、ハリーがヴォルデモートを倒した杖もサンザシでした。
【ケルトツリータロット】
魔力を秘めた神秘の樹木、サンザシ。
このカードは、信頼関係や、教えを説く指導者、周囲の助力を得られる可能性を示唆しています。
またサンザシの縁結びのパワーは、あなたに人間関係における良いご縁をもたらすでしょう。
逆位置では、間違ったアドバイスや思い込み、仲間割れ、協力者の不在などを表すことも。
サンザシはタロットの法王(教皇)に対応しています。
文:あみゅー