リンゴ | the celtic tree

バラ科・落葉高木。
丸くてかわいらしい実をつけるリンゴの樹。
古代ケルト人が、その艶やかな赤い果実を愛の象徴と見立てたのも不思議ではありません。
ドルイド(魔導士)たちにとってリンゴは、女神のように美しい精霊たちに守られ、
その果実を口にすれば不死と叡智を手に入れることができると考えられていました。
北欧神話の神々も、不老長寿の実としてトネリコの箱にリンゴを保管していました。
しかし、それはケルト文化にキリスト教が布教される前のお話。
その後、旧約聖書の中では、周知の通り神に食べないように堅く止められたにもかかわらず、ヘビに誘惑されたイヴとアダムが、リンゴをかじってしまいます。
そして、ふたりはお互いの性を意識するようになり、恥じらいに目覚めたのでした。
禁断の果実という言葉の響きは、かえってその魅力を膨らませ、欲望の対象ともなりえます。
リンゴはやがて、人の原罪のシンボルとなってしまいました。
しかし、それ以前のケルト文化では、リンゴは純粋に生命の美、愛と若々しさの象徴だったのです。
【ケルトツリータロット】

生命の美を讃える樹木、リンゴ。
このカードは、素敵な物事との巡り会いや、理想的な人物との出会いを暗示します。
また、エデンの園で愛し合ったアダムとイヴのように、相性の良い相手との愛や絆を表すことも。
逆位置では、恋愛ならば欲望だけの恋や誘惑、不倫や浮気などを暗示することも。
リンゴはタロットの恋人に対応しています。
文:あみゅー