トネリコ | the celtic tree

北欧神話は九つの世界から成り立っています。
アース神族の国「アースガルド」や、妖精たちの国「アルフヘイム」。
わたしたち人間の住む場所は「ミッドガルド」と呼ばれ、一本の川を境に「ヨトゥンヘイム」と言う恐ろしい巨人たちの国へと続きます。
そして、それらすべてを内包するのは世界樹「ユグドラシル」。
この巨大な樹のモデルとなったのがトネリコなのです。
トネリコはとても長い根をはり、曲線的でやさしい色合いの幹は、どこか女性的です。
しかし、そんなやわらかな印象とは裏腹に、材木はとても丈夫なため、槍や斧、矢を作るのに重宝され、長い間、戦いの樹としての役割も担ってきたのです。
またドルイド(魔導士)たちは、この樹木に水と関わる魔術的な力を見出し、魔法の杖をこしらえて雨乞いや水害よけのおまじないをしました。
トネリコは雌花と雄花との区別がなく、ひとつの花に雄しべと雌しべが備わっています。
男と女、陰と陽、天と地、そして始まりと終わりさえも、すべてが渾然一体となって調和するとき、生命の円環は途切れることなく紡がれ、ケルト宇宙を形作るのです。
トネリコは、まさにそんな世界観を体現している樹木と言えるでしょう。
【ケルトツリータロット】

生命の円環を紡ぐ樹木、トネリコ。
このカードは、あらゆる物事が調和している状態を暗示します。
あなたが努力してきたことが今、実を結び、ひとつの世界を形作ろうとしているのです。
トネリコはタロットの世界に対応しています。
文:あみゅー