ヤナギ | the celtic tree
ヤナギ科・落葉高木。
古代ケルト世界において、ヤナギは月の神の樹木でした。
ドルイド(魔導士)たちはヤナギを通して月の神秘の力を受け、霊力と直感力を高めたのです。
細くて女性的なその枝は、水分が豊富でとても柔らかいため、籠を作るのにも適しています。
月は女性性の象徴でもあり、日ごとに姿を変えるその様は、恋多き女神のうつろう心を思わせます。
潮の満ち引き、光と影、喜びと嫉妬、誕生と死・・・
月は、わたしたちの心を大海原のように大きく揺り動かします。
わたしたちの内面世界は海より広くて深く、言葉にできることなどほんの一部にすぎません。
ヤナギの精霊は、そんな心の源泉が枯れないよう、水で一杯に満たしてくれます。
太古の昔、満月の下で妖精たちはその光を食べ、芸術家たちは詩や音楽を奏でました。そして、それはやがてケルト芸術を生み出していったのです。
太陽が眠ると、今夜もまた月が踊りだします。
そしてヤナギは風に揺られて月光と響き合うのです。
【ケルトツリータロット】
月の女神が宿る樹木、ヤナギ。
このカードは、わたしたちの内的世界を暗示します。霊力や神秘的な力の存在もそこに含まれるでしょう。
このカードは目に見えるものだけが全てではない事を示唆しているのです。
満ち欠けを繰り返す月は、絶えず移ろう人間の心を暗示しているかのよう。このカードは、移ろいやすい心や、状況の不安定さを暗示する場合も。
ヤナギはタロットの月に対応しています。
文:あみゅー