イチイ | the celtic tree

イチイは死と再生のシンボル。
ドルイド(魔導士)は「輪廻転生」を信仰しており、ケルト宇宙において魂は不滅のものでした。
死は"終わり"であると同時に、"始まり"でもあったのです。
イチイの生木は弾力性に富み、世界中で弓を作るための材木として重宝されてきた歴史があります。
アイヌ語でも、この樹木を弓の木を意味する「クネニ」と呼びます。
乾燥すればとても固いために、古来よりステッキや槍、竿などに姿を変え、加工のしやすさから、家具の装飾や木彫り彫刻の材料としても親しまれてきました。
またイチイの樹は、発育がとても遅いために材木はとても高価となります。
日本語の "イチイ" の名の由来は、「仁徳天皇が見事な出来栄えのこの木の杓に感激し、当時の最高位であった官位 "正一位" を授けたから」という一説もあるようです。
一方で、イチイは強い陽の光を嫌い、影を好みます。
またこの樹木には、種や葉、枝など、果肉を除く全てに毒であるタキシンが含まれているのです。
もし謝って種などを口にすれば、場合によっては死に至るでしょう。
【ケルトツリータロット】

死と再生のシンボルツリー、イチイ。
このカードは、何かを始めるためには、別の何かを終わらせる必要があることを暗示しています。
人は変化を嫌う生き物です。しかしすべての物事は、絶えず移り変わり、一時たりとも同じ状態に留まることがありません。
あなたが執着心さえ手放せば、心には平穏が訪れ、世界は新たな光を投げかけてくれるのです。
逆位置では、執着心や、辞めたくても辞められない状況などを表すことも。
イチイはタロットの死神に対応しています。
文:あみゅー