ルーン文字の意味 その10:ニイド
ニイドは欠乏や束縛のルーンである。
英語のneedの語源でもある。
ニイドが象徴するのは欠乏感や束縛という魂の状態であり、物質的な豊かさではない。
この考え方はウィンの場合と似ている。(ウィンは魂の喜びを表す。達成感や満足感を感じる事ができるならば目標に届こうが届くまいがウィンなのである。)
いくらお金を持あっても心が孤独で欠乏している状態であればニイドである。反対に質素な生活をして貧乏であったとしても、それなりに楽しい生活を送れているならばニイドではない。
ニイドが出た時は、外部的な要因で束縛されているのか。
あるいは自分の思い込みや習慣、固定観念などの内部的な要因で自らを束縛しているかを見る。
外部的な要因とは、例えば職場の人間関係のしがらみで身動きが取れないかったりお金やその他の資源が不足して物事が行えない状態である。
このような場合一朝一夕に解決するのは難しい。忍耐と時間が必要となるだろう。
内部的な要因とは、自らの思い込みに囚われもがいているような状況である。Mr.Childrenの『名も無き詩』の歌詞に"知らぬ間に築いていた自分らしさの檻の中でもがいている"というのがあるが、まさにそんな感じであろうか。
上にも書いたようにニイドは解決に時間がかかる。
間違った思い込みは心理学でいうところの「認知の歪み」である。
興味のある方は、過度の一般化、白黒思考、べき思考、過度の自責といったキーワードで調べてみて欲しい。
認知の歪みは人生の中で培われてきたもので明日からすぐに変えますという訳にもいかないのだが、自らを苦しめる思い込みに気づくことで問題解決の第一歩を踏み出す事が出来る。
心に欠乏感のある場合は既に持っている物を書き出してみると良い。
「知足安分」(ちそくあんぶん)という言葉がある。
自分の持っているものに満足することを知らなければ、
いくら物質的に豊かになっても心が安らぐ事は無いという意味である。
ニイドには集中力や忍耐力があるというポジティブな意味もある。
若い時間は短い。あれもこれもと手を出しているうちに時は過ぎてゆく。
パイレーツオブカリビアンのジャック・スパロウも「男にとって大事な事はただ1つ、何ができて何ができないかだ」と言っている。
目の前の一つの事に集中せよとのルーンからのメッセージかもしれない。